美しい景色の中を駆け抜けるツーリングは、自然の豊かさを肌で感じる素晴らしい体験です。しかし、道中での食事や休憩のたびに、ペットボトルやプラスチックの容器、割り箸などのゴミが出てしまうことに心を痛めているライダーも少なくないはずです。訪れた場所を走る前よりも美しく保つことは、自然を愛するバイク乗りの大切なマナーと言えます。今回は、少しの工夫と準備でゴミを最小限に抑える、ゼロ・ウェイストなツーリングを実現するための持ち物リストをご提案します。
飲み物と食事のゴミを減らす基本の三種道具
ツーリング中のゴミで最も多いのが、自動販売機やコンビニで購入する飲料の容器です。これを防ぐための必須アイテムが、自分専用のマイボトルです。最近では保温・保冷機能に優れた軽量なボトルが多く、夏は冷たく冬は温かい飲み物を長時間楽しむことができます。さらに、スマートフォンのアプリなどで無料で給水できるスポットを探せるサービスを活用すれば、ペットボトルを買わずに済み、お財布にも地球にも優しい旅になります。
次に準備したいのが、マイ箸やカトラリーのセットです。ツーリング先で地元のグルメをテイクアウトしたり、お惣菜を購入したりする際、割り箸やプラスチックのスプーンを辞退するだけで、プラスチックゴミを確実に減らすことができます。布製のケースに入ったコンパクトなものなら、シートバッグのポケットに常備しておいても邪魔になりません。
さらに、食べ残しや包み紙の代わりとして重宝するのが、蜜蝋ラップやシリコン製の保存バッグです。これらは洗って繰り返し使えるだけでなく、例えば道の駅で見つけたパンや果物をそのまま包んで持ち運ぶのにも非常に便利です。使い捨てのラップやビニール袋を使わない選択は、ゴミを減らすだけでなく、パッキング自体をスマートに見せてくれる効果もあります。
道中のクリーン活動を支えるスマートな装備
ゼロ・ウェイストの考え方は、自分がゴミを出さないだけでなく、道に落ちているゴミを拾う活動にも繋がります。休憩した場所にたまたまゴミが落ちていたとき、サッと拾って持ち帰ることができれば、ライダーとしての品格も高まります。そのために役立つのが、再利用可能な布製の小さなゴミ袋や、密閉性の高いポーチです。
特にバイクの場合、走行中にゴミを落としてしまうことは避けなければなりません。丈夫で口がしっかり閉まる防水仕様のスタッフバッグを「ゴミ専用」として一つ用意しておくと安心です。これは濡れたタオルや汚れたものを入れる際にも転用できるため、ツーリングの装備として非常に汎用性が高いアイテムと言えます。
また、意外と見落としがちなのが、ウェットティッシュの代わりに使うハンドタオルです。使い捨ての除菌シートは便利ですが、どうしてもゴミが増えてしまいます。代わりに、少し濡らしたタオルをチャック付きの袋に入れて持参するか、速乾性の高いマイクロファイバークロスを持ち歩くことで、手やバイクの汚れを拭き取った後も洗って繰り返し使うことができます。自然に還らない化学繊維のゴミを出さないという小さな意識が、大きな環境保護へと繋がっていきます。
ゼロ・ウェイストを継続するための無理のない心がけ
完璧にゴミをゼロにしようと意気込みすぎると、ツーリングそのものの楽しさが半減してしまうかもしれません。大切なのは、できる範囲から少しずつ習慣化していくことです。例えば、まずはマイボトルを持つことから始め、慣れてきたらカトラリーを追加するというように、自分のペースで装備を整えていくのが継続のコツです。
また、買い物をする際には「過剰な包装を断る」という一言を添えるだけでも大きな違いが生まれます。バイク乗りはもともと、限られた積載スペースの中でいかに効率よく荷物をまとめるかを考えるのが得意な人たちです。そのパッキングの技術を「ゴミを出さない工夫」に応用してみると、新しいパズルを解くような楽しさが見つかるはずです。
最後に、自分の愛車を美しく保つのと同じように、私たちが走らせてもらっている道路や山道、海辺を美しく保つことは、次世代のライダーへ素晴らしい環境をバトンタッチすることにも繋がります。植物の力をエネルギーに変えて走る私たちだからこそ、訪れた土地に負担をかけないサステナブルなツーリングスタイルを追求していきましょう。一つひとつの持ち物を選ぶ基準を少し変えるだけで、あなたの旅はより深い充足感に満ちたものになるに違いありません。
